「いい国作ろう鎌倉幕府」※
テスト前に口にした経験がある人は多いのではないか。この便利な語呂合わせに初まる武士の都も、今では歴史と文化、自然を武器に持ち替えて観光名所として発展を遂げた。
居丈高な大仏に、サーフボードの光る海、釜揚げか生かで悩むシラスと、お土産屋さんの目を引く木刀。日常の中に魅力が溢れる古都には、シャッターを切る音がよく似合う。今回はそんな思いから、鎌倉パシャリ散歩を開催した。
休日にはもってこいの雲ひとつない空。鎌倉駅西口を出ると、清々しい朝に心が躍る。
日曜日にも関わらず、AM10:00にきっちり集合してくださった参加者の皆様には感謝しかない。点呼と自己紹介を終え、10人を超える散歩と写真好きの歩みが始まった。
まずは街並みを眺めながら、長谷駅の方へと進んでいく。花を撮る者、建物を撮る者、看板を撮る者、自動販売機を撮る者、参加者同士で撮り合う者……歩けば歩くほど、個性が遺憾なく発揮される。当然ながら、自分と違う視点を持つ人はこの世界に数多といるのだが、それをまじまじと実感できることは非常におもしろい。早くも鎌倉パシャリ散歩の醍醐味を見つけてしまったようだ。
ところで鎌倉駅が発着点の列車、江ノ島電鉄(通称:江ノ電)をご存知だろうか?鎌倉駅〜藤沢駅を繋ぐ緑を基調としたそれは、この街のシンボルと言っても過言ではない。車両の接近を知らせる踏切の音は、僕らがカメラを構える合図には申し分なかった。
極楽寺駅でトイレ休憩を挟み、歩き続けること15分。ついに視界は、波の立つ七里ヶ浜を捉えた。
スタートからおよそ4Kmほど離れた稲村ヶ崎公園で軽食をとる。途中で足を止めた「ブーランジェリーアンサンブル(ベーカリー)」さんと、「力餅屋(和菓子屋)」さんで各々が好きなものを買い、海風のもとミニピクニックが始まった。
しかし上空には、優雅に舞う鳶(トビ)の姿。食べ物を狙う眼光を感じながら取る軽食も、鎌倉の醍醐味なのかもしれない。
お腹を満たし記念撮影を終えて、ラストスパートをかける。途中、それぞれが撮影した写真を見せ合い会話が弾む。初対面の参加者もいたが、消費するカロリーに比例して、口数も増えていったようだった。
気がつくとそこには、「鎌倉高校前駅」の文字。鎌倉パシャリ散歩は、無事にゴールを迎えた。
6.4Kmに及ぶ少し長めの散歩だったが、全員が持ち前のセンスとシャッターと、そして何より会話を楽しむ心意気で、笑顔が印象的な1日だった。足の疲れはいくらか軽減できたことを願うばかりだ。
参加者の皆様、途中で寄ったお店の方々、ありがとうございました。
※現在は1185(いい箱)作ろう鎌倉幕府が主流らしい
文章:倉持駿太朗
写真:鎌倉パシャリ散歩参加者
#あるっこ
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